最終更新日:2026/02/17 18:27

エアコンクリーニングは自分でスプレーできる?手順と失敗しない注意点を解説

エアコンクリーニングは自分でスプレーできる?手順と失敗しない注意点を解説

エアコンからの風がカビ臭いと感じたときや、吹き出し口に黒い汚れを見つけたとき、すぐにきれいにしたいと思いますよね。

しかし、業者に依頼すると費用がかかるため、市販のスプレーを使って自分で掃除できないかと考える方は多いです。自分でスプレー掃除ができれば、費用を数千円程度に抑えられるため非常に経済的といえます。

この記事では、自分でエアコンクリーニングを行うための正しい手順と、失敗して故障させないための重要な注意点を解説します。読み終わる頃には、自分でやるべきかプロに任せるべきかを適切に判断できるようになります。

 
 

1. エアコンクリーニングは自分でスプレー掃除できる?

エアコンクリーニングを自分で行うことは可能ですが、掃除できる範囲には限りがあります。市販のスプレーを使えば手軽に汚れを落とせるイメージがありますが、構造を理解せずに作業するとリスクを伴います。

まずは自分で対応できる範囲と限界について正しく理解しましょう。

 

1.1. フィルターは掃除可能だがそれ以外は難しい

自分で掃除できる主な場所は、フィルターと本体の外側(前面パネルやフラップなど)です。

熱交換器(フィン)部分への市販スプレーの使用は、エアコンメーカーは推奨していません。フィルターは前面パネルを開ければすぐに取り外せるため、最も簡単に掃除ができます。

一方で、風を送り出すファンや内部のドレンパンといった部品は奥まった場所にあるため、分解が必要になることが多く、自分での掃除は難易度が高くなります。

 

1.2. 内部の汚れまで完全にきれいにするのは困難

市販のスプレーを使用しても、エアコン内部のすべての汚れを落とし切ることは難しいのが現実です。スプレーの勢いだけでは、フィンの奥深くに入り込んだホコリや、ファンの裏側にこびりついたカビまで物理的に届かないことが多いためです。

また、強力な洗浄剤を使うプロの作業とは異なり、市販品は安全性を考慮して洗浄力がマイルドに作られています。表面の汚れは落ちても、見えない部分に汚れが残ってしまう可能性があることを理解しておきましょう。

 

2. エアコン掃除用スプレーの種類と選び方は?

エアコン掃除用スプレーの種類と選び方は?

エアコン掃除用のスプレーにはいくつかの種類があり、掃除したい場所に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。間違った種類のスプレーを使うと、効果がないばかりか故障の原因になることもあります。

ここでは主要な3つのタイプについて、それぞれの特徴と選び方を解説します。

 

2.1. フィン用は汚れを洗い流すタイプを選ぶ

熱交換器であるフィンを掃除する際は、液体を勢いよく噴射して汚れを洗い流すタイプのスプレーを選びます。

このタイプは洗浄液が汚れとともに排水管(ドレンホース)を通って外へ排出される仕組みになっています。多くのドラッグストアで販売されている一般的な「エアコン洗浄スプレー」はこのタイプです。

選ぶ際は、液だれしにくいものや、無香料で薬剤のニオイが残りにくいものを選ぶと作業が快適になります。

 

2.2. ファン用はムースとリンスのセットを選ぶ

送風ファンを掃除する場合は、汚れを浮かせるムース(泡)と、それを洗い流すリンスがセットになった商品を選びます。

ファンには油分を含んだ頑固なホコリが付着していることが多く、液体をかけるだけでは汚れが落ちにくいからです。ムースの泡がファンに密着して汚れを分解し、その後にリンスでしっかりと洗い流す手順が必要になります。

フィン用のスプレーをファンに使ってしまうと、粘度が足りずに汚れが落ちなかったり、すすぎができずに薬剤が残ったりするため、必ず「ファン専用」と記載されたものを使用してください。

 

2.3. フィルター用は泡で汚れを浮かすタイプを選ぶ

フィルター掃除用のスプレーは、網目に詰まった細かいホコリや油汚れを泡で浮かせて落とすタイプが主流です。フィルターを外して新聞紙などの上に置き、全体にスプレーして放置するだけで汚れが浮き上がります。

その後、水で洗い流すだけでブラシでゴシゴシ擦る必要がないため、フィルターを傷める心配がありません。キッチンの近くにあるエアコンなど、油汚れが付着しやすいフィルターには特に効果的です。

 

3. 自分でエアコンをスプレー掃除する手順は?

自分でエアコンをスプレー掃除する手順は?

正しい手順で作業を行うことは、エアコンをきれいにすること以上に、故障や事故を防ぐために重要です。

ここでは一般的な壁掛けエアコンを想定し、フィン(熱交換器)をスプレーで洗浄する際の流れを解説します。作業前には必ず窓を開けて換気を良くし、ゴム手袋やマスクを着用して身体を保護してください。

 

3.1. 電源プラグを抜き周辺を徹底的に養生する

作業を始める前に、必ずエアコンの電源プラグをコンセントから抜きます。これは感電やショートによる火災を防ぐための絶対条件です。

次に、エアコンの周りをビニールシートやマスカーテープ(テープ付き養生シート)で養生します。スプレーの液剤や汚れた水が垂れて、壁紙や床、家具を汚さないようにするためです。

特にエアコンの真下にはバケツを置き、垂れてくる水を受け止められるようにビニールで通り道を作ると安心です。電装部分(配線や基盤がある右側の部分)には、ラップやタオルを巻いて水が一滴も入らないように厳重に保護します。

 

3.2. フィルターとカバーを外してホコリを取る

エアコンの前面パネルを開けて、フィルターを取り外します。フィルターは浴室などで水洗いし、日陰でよく乾かしておきます。

次に、エアコン本体のカバー(前面パネルやルーバーなど)を取り外せる場合は外しますが、無理に外そうとしてプラスチックのツメを折らないよう注意が必要です。

フィン(金属部分)が露出したら、表面に付着している大きなホコリを掃除機で吸い取ります。ホコリが残ったままスプレーをすると、ホコリが水分を含んでフィンの隙間に詰まり、逆効果になることがあるためです。

 

3.3. フィンやファンに薬剤をまんべんなく吹き付ける

下準備ができたら、フィンの目に沿ってスプレーを吹き付けます。スプレー缶をよく振り、5センチほど離した距離から、上から下へと汚れを洗い流すように噴射します。

このとき、絶対に電装部分(右側の基盤付近)に液がかからないよう注意してください。フィン全体に行き渡るように、スプレー1本を使い切るつもりでたっぷりと使用します。

ファン用のスプレーを使用する場合も同様に、ファンを少しずつ手や棒で回転させながら、全周にムースが行き渡るように吹き付けます。

 

3.4. 十分な時間を置いて乾燥と送風を行う

スプレーの噴射が終わったら、薬剤が汚れを分解し、排水されるまで10分から20分程度放置します(製品の指定時間に従ってください)。時間が経過したら、フィルターやカバーを元通りに取り付けます。

最後に電源プラグを差し込み、窓を開けた状態で「送風運転」を30分から1時間ほど行います。これにより内部に残った水分を完全に乾燥させます。

乾燥が不十分だとカビの原因になるため、この工程は省略せずにしっかりと行ってください。

【関連記事】エアコンクリーニングの驚きの効果とは?快適さと節電の両立について解説!

 

4. スプレー掃除で発生するリスクと注意点は?

スプレー掃除で発生するリスクと注意点は?

自分でエアコンクリーニングを行うことはコスト削減などのメリットがある一方で、プロに依頼する場合にはない重大なリスクも潜んでいます。

最悪の場合、エアコンが壊れて買い替えが必要になったり、火災が発生したりする可能性もあります。作業を行う前に、これらのリスクを十分に認識しておく必要があります。

 
リスク 内容 対策
故障・火災 電装部のショート 電装部を完全防水養生する
カビ・悪臭 洗剤残りとカビ増殖 徹底的なすすぎと乾燥
水漏れ ドレンホースの詰まり 汚れがひどい場合はプロへ
 

4.1. 電装部分に薬剤がかかると故障や火災の原因になる

エアコンクリーニングで最も恐ろしいリスクは、洗浄液や水が電気部品にかかってしまうことです。

エアコンの右側には制御基板やモーターなどの重要な電子部品が集まっています。ここに水分が付着すると、ショートしてエアコンが動かなくなるだけでなく、トラッキング現象により発火し、火災につながる恐れがあります。

実際に、スプレー洗浄が原因の火災事故は毎年報告されており、製品評価技術基盤機構(NITE)なども注意喚起を行っています。養生に少しでも不安がある場合は、自分での作業を避けるのが賢明です。

参考:エアコンの内部洗浄による事故に注意~製造から長期間経過した換気扇・扇風機にも注意~|製品安全|製品評価技術基盤機構

 

4.2. すすぎ不足はカビの繁殖や悪臭を招く

市販のスプレーには洗浄成分が含まれていますが、これを完全に洗い流さないと、残った成分がカビの栄養源になってしまいます。

特に「洗い流し不要」と書かれているスプレーでも、汚れを含んだ液剤が内部に留まることで、かえってカビの繁殖を加速させることがあります。掃除をした直後は洗剤の良い香りがしても、数週間後に以前よりもひどい悪臭が発生するというケースは珍しくありません。

十分な水ですすぐことが難しい家庭でのスプレー洗浄における大きなデメリットといえます。

 

4.3. 排水管が詰まると水漏れが発生する

スプレーで洗い流されたホコリや汚れは、ドレンホース(排水管)を通って屋外へ排出されます。

しかし、大量の汚れが一気に流れると、細いドレンホースの中で詰まってしまうことがあります。排水の出口が塞がれると、行き場を失った水が室内機側へ逆流し、エアコンの吹き出し口から水がポタポタと垂れてくる水漏れトラブルを引き起こします。

これを防ぐためには、事前にドレンホースの詰まり取りポンプなどを用意しておくか、汚れがひどすぎる場合は無理にスプレーで流そうとしない判断が必要です。

 

5. プロのクリーニングと自分で行う掃除の違いは?

自分でスプレーを使って掃除する場合と、ハウスクリーニング業者に依頼する場合では、仕上がりのクオリティと安全性に決定的な差があります。プロの料金が高いのには、それだけの理由と技術的な裏付けがあります。

ここでは、具体的にどのような違いがあるのかを比較します。

 

5.1. 分解洗浄による汚れの除去率が大きく異なる

プロのエアコンクリーニング最大の特徴は、エアコンを分解して洗浄することです。カバーやルーバーだけでなく、場合によってはドレンパンやファンまで取り外して洗浄します。

さらに、高圧洗浄機を使用して大量の水で丸洗いするため、フィンの奥やファンの裏側にこびりついたカビも根こそぎ落とすことができます。

一方、自分で行うスプレー洗浄はあくまで「手の届く範囲」の簡易的な掃除であり、表面の汚れしか落とせません。

 

5.2. 養生や汚水処理の手間と安全性が違う

プロは専用の養生カバーや防水シートを持参し、部屋を汚さないための準備を徹底的に行います。また、洗浄後の真っ黒な汚水も適切に処理してくれます。

自分で行う場合は、養生資材の準備から後片付けまで全て一人で行わなければならず、準備不足で壁を汚してしまうトラブルも少なくありません。

また、万が一作業中にエアコンが故障した場合、プロであれば損害賠償保険に加入していることが多いため補償を受けられますが、自分で壊してしまった場合は全額自己負担での修理や買い替えとなります。

 

6. どのような場合にプロへ依頼すべきか?

リスクや手間を考えると、すべてのエアコンを自分で掃除するのが正解とはいえません。エアコンの状態や機種によっては、最初からプロに任せた方が結果的に安上がりで安全なケースがあります。

以下の条件に当てはまる場合は、無理に自分でやろうとせず、専門業者への依頼を検討してください。

 

6.1. 購入から5年以上経過している場合

購入してから5年以上経過しており、その間に一度も本格的なクリーニングをしていないエアコンは、内部に相当な量のカビやホコリが蓄積しています。このような状態でスプレー洗浄を行うと、汚れがドレンホースに詰まったり、中途半端に汚れが緩んで送風時に黒い塊が飛んできたりする原因になります。

蓄積した汚れは高圧洗浄機でないと落としきれないため、プロに依頼してリセットしてもらうのが適切です。

 

6.2. 頑固なカビ汚れや異臭がひどい場合

エアコンをつけた瞬間に強烈なカビ臭がする場合や、吹き出し口を覗いてファンにびっしりとカビが付着している場合は、スプレー洗浄の限界を超えています。カビは表面だけでなく、プラスチックや金属の微細な穴に入り込んで根を張っているため、スプレーをかける程度では死滅しません。

また、カビによる健康被害(アレルギーや咳など)が懸念される場合も、徹底的な除菌洗浄が可能なプロに任せるべきです。

 

6.3. お掃除機能付きエアコンを使用している場合

「お掃除機能付きエアコン」などの高機能機種は、内部構造が非常に複雑です。

フィルターの手前に自動掃除ユニットが搭載されており、これを分解しないと熱交換器(フィン)までスプレーが届きません。知識がないまま分解しようとすると、配線を切ってしまったり、元に戻せなくなったりするリスクが非常に高いです。

取扱説明書にも「お客様自身での内部洗浄は行わないでください」と明記されていることが多いため、専門知識を持った業者に依頼するのが確実です。

 

7. まとめ

この記事の要点をまとめます。

・フィルターとは自分でスプレー掃除が可能だが、ファンや内部の完全な洗浄は難しい。
・スプレー掃除には「電装部の故障」「火災」「カビの繁殖」「水漏れ」といった重大なリスクが伴うため、徹底した養生と手順の遵守が必要である。
・頑固な汚れや5年以上経過したエアコン、お掃除機能付き機種の場合は、無理せずプロに依頼する方が安全かつ確実である。

自分でエアコンクリーニングを行えば費用は節約できますが、それには正しい知識と慎重な作業が求められます。

リスクと手間を天秤にかけ、ご自身の状況に合わせて最適な方法を選んでください。清潔なエアコンで、快適で健康的な毎日を過ごしましょう。

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