最終更新日:2026/02/17 18:34

エアコン室外機の掃除は必要?自分でやる方法と業者に頼む判断基準

エアコン室外機の掃除は必要?自分でやる方法と業者に頼む判断基準

エアコンの室内機フィルターはこまめに掃除していても、ベランダや庭にある「室外機」の汚れは見落としがちではないでしょうか。

雨風にさらされている室外機は、実は想像以上に砂埃や枯れ葉で汚れています。室外機が汚れたままだと、冷暖房の効率が下がり、結果として電気代が高くなってしまうことがあります。

とはいえ、精密機械である室外機を間違った方法で掃除すると、故障の原因になりかねません。「どこまで自分でやっていいの?」「水をかけても大丈夫?」と不安に思う方も多いはずです。

この記事では、エアコン室外機の掃除が必要な理由から、初心者でも安全にできる掃除の手順、そして絶対にやってはいけないNG行為までを分かりやすく解説します。読み終える頃には、ご自宅の室外機をどうメンテナンスすべきかが明確になり、すぐに実践できるようになるはずです。

 
 

1. エアコン室外機の掃除は本当に必要?

結論から言えば、エアコンの室外機も定期的な掃除が必要です。ただし、室内機のように頻繁に行う必要はありません。

室外機はもともと屋外に設置することを前提に作られているため、多少の雨や汚れには耐えられる設計になっています。しかし、汚れを放置しすぎると本来の性能を発揮できなくなります。

 

1.1. 掃除が必要な理由

室外機の掃除が必要な最大の理由は、「熱交換の効率」を維持するためです。

エアコンは、室内機と室外機の間で熱を移動させることで部屋を冷やしたり暖めたりしています。室外機の裏側や側面にある「フィン(薄い金属の板)」は、この熱を放出あるいは取り込むための重要なパーツです。

このフィンがホコリや枯れ葉などで目詰まりを起こすと、空気の通り道が塞がれてしまいます。すると、室外機はファンを無理に回して熱を交換しようとするため、余計な負荷がかかります。

人間で例えるなら、マスクをして全力疾走しているような状態です。スムーズな空気の循環を取り戻すために、障害物となる汚れを取り除く必要があります。

 

1.2. 掃除をしないリスク

室外機の汚れを放置することには、明確なデメリットが存在します。主に「電気代の上昇リスク」と「故障のリスク」の2点です。

まず、目詰まりによって排熱効率が落ちると、設定温度にするためにエアコンはより多くのパワーを使います。空調メーカーの実験によれば、フィルターや室外機の掃除を行うことで、電気代を削減できる効果があると報告されています。

また、過度な負荷はコンプレッサー(圧縮機)などの心臓部にダメージを与えます。最悪の場合、エアコンが突然止まってしまったり、異音が発生したりする原因になります。

快適な暮らしを守り、無駄な出費を抑えるためにも、年に1〜2回程度の点検と掃除が推奨されます。

参考:フィルター掃除と室外機周辺の片付けによるエアコンの節電効果を検証|ニュースリリース|ダイキン工業株式会社

 

2. 自分で掃除できる汚れのサインと確認方法

では、どの程度の汚れなら掃除が必要なのでしょうか。やみくもに掃除をする前に、まずは室外機の状態をチェックしましょう。ご自身で対応できるレベルか、あるいはプロに頼むべきかを判断する基準になります。

 

2.1. 裏側のフィン(金属板)の目詰まり

室外機の裏側や側面を覗き込んでみてください。薄い金属板がずらりと並んだ「アルミフィン」が見えるはずです。この部分が、ホコリ、ペットの毛、枯れ葉、クモの巣などで覆われていないかを確認します。

もしフィンが見えないほど汚れがびっしりと付着しているなら、掃除のサインです。隙間なくゴミが詰まっていると、空気を取り込めず、エアコンの効きが悪くなります。

表面に軽くホコリがついている程度であれば、緊急性は高くありませんが、シーズン前の掃除をおすすめします。

 

2.2. 異音や排水のトラブル

運転中に「ガラガラ」「ブーン」といういつもと違う大きな音がする場合も注意が必要です。これは、内部に入り込んだゴミがファンに当たっていたり、振動で汚れが共鳴していたりする可能性があります。

また、室外機の近くから水が漏れ出ている、あるいはドレンホース(排水ホース)から水が出てこない場合も点検が必要です。ホースの中にゴミや虫が詰まっていると、室内機側で水漏れが発生する原因になります。

これらの症状がある場合は、早急な掃除や対処が求められます。

 

3. 自分でできる室外機の掃除手順

自分でできる室外機の掃除手順

ここからは、特別な工具を使わずに自分でできる基本的な掃除方法を紹介します。

安全のために、作業前には必ずエアコンの電源を切り、コンセントを抜いてから行ってください。感電や怪我を防ぐための最優先事項です。

 

3.1. 準備する道具

掃除を始める前に、以下の道具を揃えておくとスムーズです。家にあるもので代用できるものばかりです。

 
道具名 用途
ほうき・ちりとり 室外機周辺の大きなゴミを掃き取る
掃除機 フィンに付いたホコリを吸い取る
柔らかいブラシ 歯ブラシや洗車用ブラシで細かい汚れを落とす
雑巾 外装の汚れを拭き取る
割り箸 ドレンホース内のゴミを掻き出す
 

3.2. 外装と周辺の掃除

まずは、室外機の周りからきれいにしていきます。

室外機の周囲(特に吹き出し口の前や裏側)に植木鉢や物置などの障害物があると、空気の流れが悪くなります。半径20cm〜30cm以内には物を置かないように整理しましょう。

次に、ほうきを使って室外機周辺の枯れ葉や砂埃を取り除きます。

そのあと、固く絞った雑巾で室外機の外側の汚れ(天板や正面のグリル部分)を水拭きします。泥はねなどの汚れを落とすだけで、見た目もすっきりします。

 

3.3. フィン(熱交換器)の掃除

ここが最も重要な工程です。室外機の裏側や側面にあるアルミフィンを掃除します。

まず、掃除機の先にブラシノズルを付け、フィンの表面に付着しているホコリやクモの巣を吸い取ります。掃除機で吸いきれない細かい汚れは、使い古した歯ブラシや柔らかいブラシを使って優しく掻き出します。

このとき、ブラシを強く押し付けるのは避けてください。アルミフィンは非常に薄く、少しの力で簡単に曲がってしまいます。フィンの目に沿って、縦方向に優しくなでるように動かすのがコツです。

 

3.4. ドレンホースの詰まり解消

最後に、排水用のドレンホースを確認します。

ホースの出口が土に埋まっていたり、落ち葉で塞がれていたりしないかチェックしてください。出口付近にゴミが溜まっている場合は、割り箸などを使って取り除きます。

また、ホースの出口に防虫キャップなどを付けている場合、そこにホコリが詰まってヘドロ状になっていることがあります。一度取り外して、きれいに洗ってから付け直しましょう。

これで排水がスムーズになり、室内機の水漏れトラブルを予防できます。

 

4. 絶対にやってはいけないNG行為と注意点

絶対にやってはいけないNG行為と注意点

室外機は頑丈そうに見えますが、内部は繊細です。

良かれと思ってやったことが、逆に故障を招くケースが後を絶ちません。ここでは、避けたほうが良いNG行為を解説します。

 

4.1. 高圧洗浄機の使用

洗車や外壁掃除で便利な高圧洗浄機ですが、室外機の掃除には絶対に使わないでください。水圧が強すぎて、薄いアルミフィンが広範囲に変形したり、潰れたりしてしまいます。フィンが潰れると空気が通らなくなり、致命的な故障につながります。

また、高圧の水流は、防水処理されていない内部の隙間から浸入する恐れがあります。モーターや基板に水がかかると、ショートして故障するだけでなく、発火事故の原因にもなり大変危険です。

 

4.2. 内部の分解や電装部の水濡れ

室外機のカバーを外して、内部まで徹底的に掃除しようとするのはやめましょう。

プロの業者は構造を熟知した上で分解しますが、一般の方が分解すると元に戻せなくなったり、配線を切ってしまったりするリスクがあります。特に、電気配線が集中している「電装部(通常は正面から見て右側のカバー内)」には、絶対に水をかけてはいけません。

上から水をかける場合も、全体にバシャバシャとかけるのではなく、フィン部分だけに限定し、横から水が入らないように注意してください。

 

4.3. 強い洗剤の使用

油汚れ用などの強力なアルカリ性洗剤や酸性洗剤の使用も避けてください。成分が強すぎると、アルミフィンや内部の部品を腐食させて(溶かして)しまう可能性があります。

また、洗剤を使用した後にすすぎが不十分だと、残った成分がサビの原因になります。基本的には水洗いか、薄めた中性洗剤を使用し、最後はしっかりと水拭きや水洗いで成分を残さないようにすることが大切です。

 

5. プロの業者に依頼すべきケースと費用相場

プロの業者に依頼すべきケースと費用相場

ここまで紹介した「外側」や「フィンの表面」の掃除で改善しない場合や、自分でやるのが不安な場合は、プロの業者に依頼するのが賢明です。

プロに任せるべき判断基準と費用の目安を紹介します。

 

5.1. 内部の本格的な洗浄が必要な場合

室外機の内部に入り込んだ汚れや、分解しないと届かないファンの裏側などは、プロによる高圧洗浄(専用機材による適切な水圧での洗浄)が必要です。

以下のような状況であれば、依頼を検討してください。

・数年間一度も掃除をしておらず、汚れがひどい
・エアコンの効きが明らかに悪い
・室外機が高い場所に設置されていて、足場が悪い

プロは専用の洗剤と機材を使い、電装部を養生(保護)した上で徹底的に洗浄してくれます。

 

5.2. クリーニング費用の目安

室外機クリーニングを業者に依頼する場合の費用相場は、以下の通りです。

 
依頼パターン 費用相場(税込) 備考
室外機単体 5,000円〜8,000円 業者によっては単体不可の場合あり
室内機とセット 3,000円〜5,000円 セット割引が適用されることが多い
 

多くの業者は、室内機のクリーニングとセットでのオプションとして室外機洗浄を安く設定しています。

室内機を掃除するタイミングで、一緒に室外機もきれいにしてもらうのが最もコストパフォーマンスが良い方法です。

 

6. 室外機を汚さないための予防策

せっかく掃除をしたなら、そのきれいな状態を長く保ちたいものです。日頃のちょっとした工夫で、汚れの蓄積を防ぐことができます。

 

6.1. カバーや周辺環境の整備

エアコンを使わない時期(春や秋)には、室外機専用のカバーをかけておくのが有効です。これだけで、内部への砂埃や枯れ葉の侵入を大幅に防げます。ただし、エアコンを使用する際は必ずカバーを外してください。かけたまま運転すると、排熱ができずに故障する可能性があります。

また、室外機の周りの草むしりや掃除をこまめに行うことも立派な予防策です。クモの巣が張られないように定期的にチェックするだけでも、次回の掃除の手間がぐっと減ります。

 

7. まとめ

 
項目 重要ポイント
掃除の必要性 節電と故障防止のために年1〜2回は必要
掃除箇所 フィンの目詰まり除去と周辺の整理がメイン
NG行為 高圧洗浄機、分解、電装部への水かけは厳禁
プロへの依頼 内部洗浄が必要な場合や室内機とセットがお得
 

エアコン室外機の掃除は、電気代の節約やエアコンの寿命を延ばすために非常に効果的です。

まずはベランダに出て、室外機の裏側を覗いてみてください。ホコリがたまっていたら、次の休日にブラシと掃除機でケアをしてあげましょう。

少しの手間で、快適な空調環境を取り戻すことができます。

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